約 580,050 件
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/680.html
2013年04月07日(日) 16 40-鈴生れい ある村に、くしゃみがうるさいおばあさんと、静かにくしゃみするおじいさんが共に暮らしておりました。 ある夜のこと、おじいさんとおばあさんの家から大きなくしゃみが聞こえてきました。それはそれは大きなくしゃみで、たまたま川の近くを通っていた青年が音に驚いて川に落ちてしまうほどでした。 その青年は翌朝水死体で見つかり、村は騒然としました。平和な村で起きた出来事であり、また青年は村の誰からも好かれていた好青年でありましたので、悲嘆にくれる者も真実を追求しようとする者もおりました。 多くの者は事故を疑いました。この平和な村で殺人を犯すものがいるはずないと、大半の村人はそう考えたのです。しかし真実を追い求める者はそれはおかしいと村長に申しました。 青年の足腰はしっかりしており、酔っぱらった形跡もなく、また平素から泳げないことを自覚し水場では気を付けていたことから、彼が事故で落ちる可能性は極めて低いと言えるからです。 しかし殺人の証拠もうまく見つからず、捜査が行き詰っていたとき、ある人が証言しました。 「昨日の夜大きなくしゃみが聞こえてきたよ。自分もそれに起こされたし、彼もそれに驚いて落ちたんじゃないかな」 なるほどと真相を求める者は頷き、それならばとおばあさんを見ました。おばあさんのくしゃみがうるさいことは、この村では常識だったのです。 おばあさんは必死に否定しました。自分のくしゃみは確かにうるさいが、昨日の夜自分にはくしゃみした覚えがないと。 しかし先ほどの証言を皮切りにくしゃみを聞いた人が次々と現れ、場所もおじいさんとおばあさんの家で間違えないと言うのです。 おじいさんのくしゃみは静かなもので、家の外に響くことは滅多にありませんでした。ましてや青年を驚かして溺れさせることなど不可能です。 おばあさんの大きなくしゃみが青年を殺したことは今や明確でした。途方に暮れ涙するおばあさんに、村長は無慈悲に罪を償わせることを命じたのでした。 おばあさんは必死におじいさんに嘆願しました。自分が昨晩くしゃみをしていないことを証言してくれと頭を地面に擦り付けて頼み込んだのです。 しかしおじいさんは、 「すまん、くしゃみの有った時間、自分はもう寝ていて覚えていないのだ」 とおばあさんを冷たく突き放したのでした。当然おばあさんは、おじいさんと一緒に寝ていた自分にも覚えがないと申し上げたのですが、村長は聞く耳を持ちません。 いくら故意でなかったとはいえ、未来ある若い世代を殺してしまったのは事実。おばあさんは自らも入水することを申しつけられました。 がっくりと膝から落ちるおばあさんを尻目に、真相を追う者はおじいさんを見つめていました。いざおばあさんが入水しようとしたその瞬間、その口角が僅かばかり持ち上がったのを彼は見逃しませんでした。 「ちょっと待ってください」 彼は真犯人をおじいさんだとしました。予想外の展開にさらに村人たちの間に動揺が走ります。何故ならおじいさんに大きなくしゃみは出せないからです。 ですが彼はおじいさんに証言に矛盾があったと言うのです。彼は続けました。 「隣家の人が叩き起こされるぐらいの大きなくしゃみのすぐ隣で寝続けられるのは不自然じゃないか」 にわかに自分の足元が崩れ去り始めたおじいさんは、大慌てで自分には大きなくしゃみが出せないことを主張しました。 ですが、真実を追求するものは言い放ちました。 「自分のくしゃみで起きないのは自分だけ。すなわちおじいさんはおばあさんにくしゃみをさせることで、川の近くを歩いていた青年を溺れさせたのだ」 おじいさんは、今度こそ両手を地面について負けを認めました。 本当は人気も若さもある彼に嫉妬して、少しだけ驚かしてやろうとしたらまさかの結末になってしまったというのです。 村長は、再びこのような事態が起きないよう、二人とも溺れさせてしまいました。それ以来、この村で事件は起こらず、村人たちは平和に暮らしたのでありましたとさ。 ちゃんちゃん。 くしゃみ三つ目です。全部そこはかとなく狂気です。 昔話を書こうと思ったら、思い付いたのがこれでした。発想からしておかしいです。
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/94.html
《くしゃみ》 イベントカード 使用コスト5/発生コスト1/赤 [!]ブレイク [メイン/自分] 相手のキャラ1枚を手札に戻す。 (ういっくしっ!!) けいおん!で登場した赤色のイベントカード。 相手キャラ1枚をバウンスするブレイク効果を持つ。 単純ながら非常に強力な効果を持つが、コスト5と非常に重い。 ブレイクで発動できれば、いきなり問答無用で相手キャラ1枚をバウンスできる。 ブレイク以外では発動することは難しく、《さわちゃんの洗脳》を使うほうがいいだろう。 手札に来てしまうと腐ることが多いため、使いどころが難しい。 カードイラストは最終話「軽音!」でのワンシーン。風邪をひいた唯のくしゃみである。 関連項目 《平沢 唯(303)》 収録 けいおん! 01-112 編集
https://w.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/818.html
「主様、おかえ……くしゅんっ!」 早く授業の終わった今日。帰ってみると、小さなくしゃみが僕を出迎えてくれた。 「殺生石、風邪?」 「わ、妾は風邪など引きませ……くしゅんっ!!」 言葉を無理矢理遮られる。 確かに、殺生石は風邪を引かないって前言っていたけど……。 「へくしっ!」 と、今度は僕がくしゃみ。 寒いとか風邪とか、そういうのとは違う。なんだか鼻の中に異物が入ったような。 「なんか鼻がむずむず……くしっ!!」 くすぐったい。とにかく鼻の中がくすぐったい。 「も、申し訳ございません……くしゅんっ!」 「なんで……せ、せっしょ……へくしっ!」 どうして、くしゃみをすると殺生石が謝るのだろう。 「ご主人様っ、マスクをどうぞー」 「え、あぁありがとう……へくしっ!」 横からマスクを付けて現れた蛋白石。 鼻に何か入った後では遅い気もするけど、無いともっと酷いことになりそうだ。 「あー、生え替わりのシーズンだったんだね」 みんながマスクを付けて落ち着いたところで、くしゃみの原因を殺生石から告げられる。 簡単に言えば、冬毛から夏毛への生え替わり時期。尻尾の毛が抜け、一人での手入れに 手こずったが為に、毛があちこちに漂うこととなったらしい。 「蛋白石に手伝ってもらったのですが、この子ったら力加減がなっていなくて……」 「うぅ、だからそれはさっきから謝ってるのに」 マスク越しのくぐもった声。 「やはり殿方にして櫛の扱いに長けた主様が一番ですね」 「むー、でもご主人様ブリトニーなんだよー。殺生石の毛で目が真っ赤に」 自信満々といった様子の蛋白石……でも。 「……アレルギーね」 無理矢理過ぎる間違い方に、小声でツッコミを入れておく。 でも、そこまで酷いアレルギーではないんだけどなぁ。 でも、今日は目もかゆくなりそうかも。目薬用意しないと……。 「とりあえず、尻尾の手入れぐらいなら平気だから大丈夫だよ。でも外でやらないとね」 「そうですね……あの、今からお願い出来ますでしょうか、どうしても抜け毛が 気になってしまって」 どこか申し訳なさそうな目線を送ってくる殺生石。 学校帰りだというのを、気にしているのかな。 「うん、いいよ。今日は天気もいいから、ひなたぼっこついでにね」 ちょっと強めの日差しに、さわやかな風。 少しだけ、殺生石の毛並みが揺れる。 「すっかり梅雨も明けたねぇ」 殺生石の尻尾にブラシをかけながら、空を眺める。 「もうすぐ夏ですよー。スイカたくさん食べたいですね」 横から僕の手を覗き込んでいた蛋白石の、明るい声。 「相変わらず蛋白石は食べ物ですか。妾はどうも夏は苦手で……」 「この着物じゃあね。殺生石もたまには別の服着てみたら?」 「そ、それは……あまり人前で素肌を晒すのは好ましくありませんから」 頬を赤くして、僕から目をそらす。 「えー、殺生石のワンピース姿とか見たいなぁ。ねっ、ご主人様!」 マスクを付けていても分かるぐらいの、蛋白石の笑顔。 ……殺生石の、ワンピース姿。 「……うん、見たい」 「あ、主様ったら……でも、主様が言うのなら、洋服も…………」 どこか照れた様子の殺生石。 今年の夏は、洋服を着た殺生石が見られる……かな? 「くしゅんっ!」 どこかわざとらしいくしゃみ。 真っ赤な顔でこっちを睨む殺生石を、僕はどんな顔で見ていただろうか。 「ところで、電気石はどうしたの?」 「え、お、お姉様……お姉様なら部屋にいますよ、一応」 どこかぎこちない蛋白石の反応。 まぁいいや。とにかく電気石におやつを買ってきたことを伝えないと。 「電気石ー、入る……よ?」 その光景に、僕は固まる。 殺生石の毛にまみれて、それを払うかのように床を転がる電気石の姿に……。
https://w.atwiki.jp/tbtwiki/pages/189.html
TBTのくしゃみとは、TBTがするくしゃみのことである。うるさい。 TBTにはあらかじめくしゃみをする3秒前かあるいは30m手前で申告しなければならない。
https://w.atwiki.jp/tbtwiki/pages/190.html
Y氏のくしゃみとは、Y氏のくしゃみである。 ブシュンッ!!っとものすごい破裂音を生じる。そしてそのあと「ねぇねぇ」といって汚れた手で肩に触れてくる。くさい(くさそい)。
https://w.atwiki.jp/doscoi/pages/21.html
すんげーくしゃみとはゥピ氏の専売特許のアレ。 一般的には呼称にある通りくしゃみとされているが、 他の哺乳動物にも数多く例があるように、 他を威嚇・牽制することで自らの縄張りを主張するための咆哮であるとの説や、 異性へのアピールであるとする説も依然として根強い。 ササッサンの好物だが、連発されるとはっきり言って集中力が削がれる。 だが、一発だけなら誤射かもしれない。 くしゃみパターン 1.ゥピ氏 咆哮と書いてくしゃみと読ませるパイオニア ゲフベッフン!! はっきり言って文字で表現するのは不可能に近い。 ヘヒョーン こっちは割かし文字で表現しやすい。飛んで行きそうな勢いだ。 2.kimi あ~しょいっ!! × n 3.SNS は~くほっ! あああああああ~!!! ええい!編集してやる!!
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/679.html
2013年04月07日(日) 15 58-鈴生れい 友人と揃ってくしゃみをした。ら、友人が僕に言った。 「くしゃみをするのって、誰かに噂されてるってことだよな」 そうか、僕は誰かに噂されてるのか。 「僕のあずかり知らぬところで、僕は誰かに何かを言われてるんだな」 「まあ、そういうのってよく言うよなって話なんだけど」 友人が少し気まずそうに言葉を濁している。どうやら僕が陰口をさされていることを知っているらしい。 「大丈夫だよ、僕は人になじられると興奮するから」 「そういうところがなければなじられないんだけどな」 僕の言動に呆れた目線を向ける友人。やめろよ興奮するだろう。 興奮しているとくしゃみが出た。同じタイミングで友人もくしゃみをしていた。 「鼻息荒くしてんじゃねぇ変態」 「変態と呼ばれると興奮する」 「んじゃどうすれば収まるんだよ」 「というか俺はどうして陰口をさされるんだ。人とちょっと性癖が違うってだけだろうに」 「そのちょっとがちょっと異常すぎるんだよ。少なくとも僕には理解できん」 「人に罵倒されるのって快感にならないかい?」 「不快にしかならん」 友人はどうやら心底理解できないようだ。これは残念なことだ。 「一つ言うなら」 友人が前置きして、ごほんと咳払いしようとして間違えてくしゃみを出していた。 「・・・・・・お前に直接悪口言ったってお前を興奮させるだけで意味ないからだろ、陰口さすのは」 なるほど、一理ある。 「だがこの性癖ほど便利なものはないよ。嫌なことしても快感にしかならないからな、とても合理的だ」 「人間効率的に生きようと思ったらお前みたいにならなきゃいけないのか、勘弁してくれ僕は変態にはなりたくない」 それを言うなら、と俺は反論してみた。 「君だって、人をなじって喜ぶ変態じゃないか」 「誰が変態だ誰が。ただ僕は人に嫌なことをさせるのが好きなだけだ」 この友人だって十分あれだ。むしろ他人に迷惑かけてる分なお性質が悪い。 「同じ変態なら効率的な俺の方がお得だな」 「だから僕は変態じゃない。それに人を思うままに操った方が自分の時間ができてお得だろう」 睨み合っていると、二人揃って同時にくしゃみがでた。それでふと正気に戻る。 「もっと睨んで」 「うるさい変態。頼まれると萎える」 「えー、やってくれないとか萎えるわ」 お互い萎えて興奮が収まったところで、改めて考えてみた。 「どっちがお得なんだ」 「あー、もう知らん。どうでもいいわ」 ここでまた揃ってくしゃみがでた。そこで妙案が思い浮かぶ。 「あ、分かった。両方の性癖持ってる方がお得だろう」 「そうかもな」 「よしそれじゃあ入れ替えてみようぜ、お互いの性癖」 「マジでか。どうやって」 「簡単さ。まず一回、揃ってくしゃみをする。そしたらまた一人称が入れ替わるから、最初からやり直せばいいよ」 文中で同時にくしゃみをするたびにお互いの一人称がひっくり返っています。ただ性癖は入れ替わっていないので、最後に言っていることは、最初から一人称をひっくり返しておけば性癖を入れ替えられるよってことです。 要するに何が書きたかったかっていうと、一人称で遊んでみたかっただけです。分かりづらかったらごめんなさい。 というか自分で書いてて意味わからないです、これ。
https://w.atwiki.jp/gensouiri/pages/2148.html
くしゃみで幻想入り 動画リンク コメント・レビュー くしゃみで幻想入り 何人目の幻想入りか 作者 ひとこと 主人公 動画リンク 新作 一話 コメント・レビュー そろそろ作品解説書いていいころじゃないの? 編集方法わからんから自分は何もできないが。 -- (名無しさん) 2009-07-16 02 46 59 名前 コメント すべてのコメントを見る ※この作品のレビューを募集しています。レビューについては、こちらをご覧下さい。
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/678.html
2013年04月07日(日) 15 14-鈴生れい 喫茶店で話し込んでいると、友人がくしゃみをした。 四月だし、花粉症だろうと思っていると、友人の鼻から何かがどろりと出ていた。 つつと垂れているのは、鼻水かと思ったが違う。ぼんやりと霧のような、白い煙が彼の鼻からまろびでている。 なんだなんだと思うまま、鼻をすする友人に訊ねた。 おい、お前の鼻からなんか出とるぞ。 対して友人は汚らしく手で鼻をこすりながら、再びくしゃみをした。 今度はもっと多くの煙が、鼻の穴から垂れている。一体こいつはなんなのか。 すると突然、くたりと友人の体から力が抜け落ち、そのまま友人は椅子の背もたれに体重を預けたまま動かなくなってしまった。まるで喜劇である。 僕はデニムのポケットからスマートフォンを取り出すと、この事象に対応すべくくしゃみについて検索してみた。個人的な嗜好で、ググってはいない。 ウィキペディアによると、くしゃみすると魂が鼻から抜けてしまうという言い伝えがあるらしい。それに対抗するためできた呪文がくさめであり、現在のくしゃみなんだとか。 要するに目の前で意識を失っている友人は鼻から魂が抜け落ちてしまっている状態なようだ。煙はいつまでも鼻の周りで漂っている。どうにか彼の中へ詰め直せばよいのかもしれないが、汚いし触りたくない。 放置しても良いが、このまま死んでしまっては僕が殺したみたいである。僕たちはこの喫茶店の常連であるしマスターとも親しく、どう考えたって僕がこの場にいたことはばれてしまう。 というか、まだこいつ生きてるのだろうか。 だらりと垂れさがっている彼の腕で脈をとってみると、心臓は動いているらしい。息もしていることはしていた。 ただいくら揺さぶっても声を掛けても頭を叩いてもお冷をぶっかけても目覚めない。当然のことながら、魂が出っぱなしだからだ。 ああそうだ、うちわで煽いでみてはどうだろう。うまく行けば彼の鼻の穴からまた体内に入ってくれるかもしれない。 マスターに頼んでうちわを借りると、慎重に狙いをつけてパタパタと魂の煙を煽いだ。すると目論見通り、煙は少しずつ移動を始めた。 しかしどうやら目測がずれていたらしく、煙は鼻の穴からずれた。彼の肌をなめるようにその表面に沿って煙は徐々に散っていく。 大慌てでどうするか迷った挙句、僕は強硬手段に出た。彼の口を大きく開き、無理やり煙を食わせたのである。 するとすべて食わせた結果、彼のうつろだった瞳に生気が戻り、重くて動かしづらかった体に力が戻った。 友人は顎に手を添えられながら(当然僕の手だ)、開口一番こう言った。 おい、お前何してる。 説明しようか迷ったが、面倒だったので省略した。 友人はまた言った。 おい、なんで俺は目が回ってるんだ。 それは僕が彼を揺さぶったからだ。 なんで俺の頭にたんこぶができとるんだ。 それは僕が彼の頭に拳骨を降らせたからだ。 なんで俺はびしょ濡れなんだ。 それは僕が彼にお冷をぶちまけたからだ。全部面倒だったので言わないけれど。 いよいよ痺れを切らした友人が立ち上がったそのとき、友人の呼吸が乱れた。 は・・・は・・・と断続的に息を吸い込み、そして台風をも上回ると聞いたことがある風速の豪快なくさめ。 先ほど見たばかりの霧のような白い煙が再び彼の鼻の周りを漂い始めたとき、僕は勘定を払って喫茶店を後にしたのだった。 とりあえず彼は鼻栓すべきだと、今となっては忠告しておくのだったと後悔する僕である。 落ちがついたかどうかとても微妙です。 くしゃみの語源で思い付いた話。そこはかとない涼しさを目指しました。たぶん。
https://w.atwiki.jp/yama2minato3jr4tapi/pages/121.html
テゴマス 『くしゃみ』 『うち、今いじめられててさ……』 「うん」 彼女からいじめられてると聞かされた。 それを聞いた時、僕は君を守りたいと思った。 「それより今日誕生日でしょ?」 『うん、覚えてたんだ』 「どこ行きた……へっしゅ」 『あっはは、なにそのくしゃみ!』 「な、なんだよ、どこ行きたい?」 彼女は周りをキョロキョロ見回すと、 『あ!あそこのお店行きたい!行こう!』 そう言って、信号が赤にもかかわらず、 子供みたいに横断歩道を飛び出した。 「おいっ、危ないぞっ」 『大丈夫大丈夫!早く行こ!』 「えっ、ちょ、まじであぶな……ぃ……」 その時はたまたま、運が悪くて、車がやってきた。 『え?…………あ』 彼女が振り返った時にはもう遅かった。 そして、次の瞬間。 ――――――――――キィィィィィィィィィッッ 「―――――っ、あああぁぁぁぁぁあああぁぁぁあぁ」 僕は交通事故で彼女を失いました。 * 彼女は神様を信じていた。 『神様はね、いるんだよーほんとは』 いつか、僕がテストで悪い点数をとったときに、神様は本当はいないんじゃいか? って思ったことがあって、そのときに言われた言葉だった。 事故の後、僕は何度も神様の存在を否定した。 そのたびに彼女がひょっこりやってきて、 『神様はいるんだよ!』 って言いにきてくれるんじゃないかって、何度も思った。 でも現実になることはなくて、そのたびに悲しんでいた。 3年経っても変わらない。いや、変われないのかもしれない。 僕はまだ彼女のことが、今でも好きだ。 3年前の、あの事故が起きた横断歩道に花束を置いた。 10月5日、彼女の誕生日でもあったこの日。 彼女との思い出を振り返りながらなんども願う。 でも、わかりたくないけど、これだけは揺るがない事実。 彼女はもういない。 どんなに君に会いたいと願っても、 どんなに君と話したいと願っても、 どんなになにを願っても、 君はもういない。 「へっしゅ」 また涙が出てきた。